大阪市をよくする会

万博の公衆衛生問題はブラックボックス

万博の公衆衛生問題はブラックボックス
保健所を守る大阪市民の会が万博トーク

 

 6月4日、保健所を守る大阪市民の会は第25回総会と万博における公衆衛生問題についての万博トークを行いました。

 

 はじめに、藤永延代さんから公衆衛生問題に絞った万博を巡る動きについて報告がありました。メタンガス濃度5%で爆発の危険性があり、1.5%では労働安全衛生法上でこれ以上では働かせてはいけないという基準だが、昨年夏の調査では排気口6本が5%以上、1.5%以上のところが24本もあったと指摘。また、国立感染症研究所が発表したリスク評価では、万博開催時期は食中毒・豪雨・台風・猛暑の影響を受けるとともに、感染症を媒介する蚊や昆虫等の生息しやすい環境が作られることから注意が必要であることが示されました。

 会場内の水道問題

 幹事の中村寿子さんから、水道の問題で報告がありました。
 水には手洗いの他に食品や食器洗い、噴水や流水などがあるがいずれも塩素がなければ困るが、果たして蛇口まで決められて塩素が保てるのか。また、水道管の配管の仕組みについて、トラブルがあった時のために配水池を複数設置し、網の目状に配管することが基本であると説明。また、トラブルが起きた時に、大阪市の現業職員が減らされベテラン職員が少なくなった中で対処できるのか疑問があるとのことでした。

医療救護施設の懸念

 医療の問題では、守る会の会長でもある保険医協会副会長、高本英司先生から報告がありました。万博会場で発生した患者は愛知万博の際に、8カ所の医療救護施設で1日当たり来場者1000人に1人と言われている。大阪万博でその基準で計算すると来場者1日28万人想定で280人となるが、大阪万博は環境も悪いためもっと多くなるのではないかとの懸念が示されました。

 

 また、万博にむけて医療救護協議会が設置されているが、半年に1回の開催で、しかも大阪府医師会が途中から参加していない、大変な検討がいる課題だが前に進んでいるとは思えないことを話されました。

 会議内容は非公表

 最後に守る会の橘波事務局長から、万博協会で設置されている医療救護協議会等の会議の内容はいずれも非公表であり、公衆衛生問題含め知らされなければならないことが知らされずブラックボックス化していると指摘。

 4月7日提出の「万博における公衆衛生にかかる要請書」の回答があり次第、公衆衛生問題について交渉を行い、追及していくとの表明がありました。

[PDF]万博における公衆衛生にかかる要請書