大阪市をよくする会

大阪市長選挙への出馬中止とファッショ・独裁政治をくいとめる決意

[2011.11.5]-トピックス

2011年11月5日午後6時30分より記者会見を開き、わたし考一さんが大阪市長選挙への立候補中止を表明、独裁政治をくいとめる決意を語りました。
わたし考一さんの表明を紹介します。
また、同日、大阪市をよくする会は、福井事務局長が談話を発表。わたしさんの決断を重く受け止め、情勢認識を共有し、よくする会としても立候補中止の態度を表明し、
橋下独裁市長をゆるさないために、反橋下・反独裁のマイク宣伝、2条例反対の宣伝を呼びかけています。全文を掲載します。


大阪市長選挙への出馬中止とファッショ・独裁政治をくいとめる決意について
わたし考一氏の立候補中止表明20111105.pdf

2011年11月5日
わたし考一

 私は今回の大阪市長選挙への立候補を中止する事をここに明らかに致します。理由は大阪からファシズムの台頭を許してはならないという大阪市民のみならず全国の声を活かすにはこれしかないという結論に至ったからであります。私の一生にIMG_0357.JPGとって非常に重い決断でもありましたが、出馬表明以来たくさんの方々の物心両面での支援を受け、市政に対する願いや要求を頂いた事に感謝をしつつ、この決断が独裁政治を阻止し、私たちの要求実現への道をきりひらいていくための現時点で最善の判断だと確信するものであります。
 現大阪市政の評価について、私が今まで述べてきた、暮らしに対する問題や巨大開発のあり方についてこれを変えるものではありませんが、少なくとも平松氏は「維新の会」の独裁的なやり方を批判し、大阪市の税金を「むしり取る」「大阪都」構想や教育基本条例に反対の態度を明らかにされています。私は平松氏が今後ともこうした立場を堅持されることを願い、今回選挙戦では独自の立場から支援してまいります。
 大阪府知事選挙では、橋下・「大阪維新の会」の野望に毅然と対決することを明らかにしているのは、明るい会の梅田章二さんただ一人であり、私は梅田さんとともにあらゆる努力を尽くす決意です。

 私の出馬表明から2ヵ月、大阪市長選挙、大阪府知事選挙をめぐる様相は大きく変化してきました。
 22日未明に大阪府知事を辞任表明して大阪市長選挙に名乗りをあげた橋下徹氏は、翌日のなんばでの街頭演説で、「ものすごい権力闘争」をやって「日本のシステムを変える」と豪語し、大阪府に続き“大阪市のっとり”をはかることが市長選挙の目的だとうたいました。彼は「一人の指揮官」で何でもやりたい放題の「大阪都」づくり、そして憲法をじゅうりんし、教育に政治介入し、子どもと教職員に強制を持ち込む「教育基本条例案」を最大の焦点だとし、橋下氏と「大阪維新の会」による独裁政治をつくりあげると宣言しています。さらに、大阪を足場に「首相公選制」をはじめ国政進出への野望もあらわに述べました。IMG_0350.JPG
 大阪に独裁政治の誕生を許せば、それを拠点として、今の政治状況を反動的に打開しようとする衝動が強まる危険もあり、日本の政治にも重大な影響を与えることになります。いまこのたくらみをくいとめるための、市民の共同が何よりも大事になっています。

 いま、こうした橋下氏と「大阪維新の会」のファッショ・独裁の本性が見抜かれはじめ、府民のみならず、全国から大きな危ぐと怒りの声がわきおこりつつあります。私は、このことに市民のみなさん方の良識を感じ取っています。
 なかでも橋下氏が「教育は強制」とあからさまにつきつける「教育基本条例案」に対して、教育界の総反撃が始まっています。府教委は全員連名でアピールを出し、「白紙撤回されるべき」であり、「これが可決されれば、私たち教育委員は総辞職する」と述べました。府立高校PTA協議会の「嘆願書」では「大阪は庶民の街」「いろいろな意見があるからこそ『おおさか魂がさかえた町』です。橋下知事の一方向だけが『大阪の教育』と決めてしまうのはこわいことです」と語っています。
 こうしたなかで、私のもとにも、「橋下独裁だけは許せない。ぜひ大きな共同を」との市民の声が多数寄せられています。
 これまでの政治的立場の違いを超えて、「大阪は独裁・橋下知事に屈しない」などの声が広がり、これが、知事選挙・大阪市長選挙の様相を変えつつあります。ここに示されている確固とした「民意」を、市長選挙の結果に確実に結実させることが何よりも必要です。私と平松氏の得票の合計が過半数に達したとしても、相対的に橋下氏が1位となって当選することになれば、結果としてファッショ的独裁政治の実現を許すことになります。
 私は何としても、大阪を日本の民主主義を脅かす反動独裁政治の拠点にするくわだてを阻止しようと決意しています。橋下徹氏と「大阪維新の会」によるファッショ的な独裁政治を許さない大阪府民の広範な共同を、党派の垣根を越えてつくり上げるために全力を尽くす決意を重ねて明らかにするものです。


わたし考一氏の立候補中止の決断と大阪市をよくする会の対応について(事務局長談話)
わたし考一さんの立候補中止表明についての事務局長談話20111105.pdf

2011年11月5日
大阪市をよくする会
事務局長 福井 朗

わたし考一さんから立候補を中止する表明がありました。わたしさんは「大阪市乗っ取りを足がかりに全国にファッショ的な独裁政治を推し進めると公言して市長選に立候補を表明している橋下前大阪府知事の野望を何としてもくいとめ、大阪を愛するすべての人と、力と心を合わせ大阪を守るため」だと、その決意を述べました。
大阪市をよくする会は、わたしさんの決断を重く受け止め、情勢認識を共有し、よくする会としても立候補中止の態度を表明するものです。
 橋下氏は、「財界べったり・巨大開発推進」という従来の保守政治家の域をはるかに超えた、特異なファシストです。大阪市を乗っ取り、これを拠点に全国展開しようとしています。これは単に2011年の大阪市長選挙だけの問題にとどまらず、全国的歴史的な意味合いを持っています。
一方で世論は大きく変化しています。教育基本条例案への反対の世論は大きな広がりを見せており、大阪弁護士会会長、日本ペンクラブ会長の反対声明、大阪府教育委員の白紙撤回・総辞職表明、府立高校PTA協議会の「嘆願書」など、まさに潮目が変わった、といえる状況が生まれています。また、平松氏も「大阪に独裁はいらない」と主張し、「敬老パス堅持」「今里筋線延伸を再開」を表明しました。こうした世論の変化、要求実現の前進をいっそう加速させなければなりません。
これらは私たちが営々と続けてきた運動の成果であり、同時に「暴走政治ストップ」を街頭や全戸ビラなどで大いに主張してきました。
 11月1日付読売新聞では、1面トップで「大阪市長選 橋下・平松氏横一線」と報じ、無党派層の支持も互角です。最近の大阪市内の選挙でも市会議員選挙では、大阪市をよくする会の加盟団体である日本共産党は13万5000票、前回市長選挙では、よくする会の姫野候補は11万3000票を獲得しました。これは、たたかいいかんによって「わたし氏・平松氏あわせて過半数を取ったが、選挙では橋下氏が当選」という可能性があり、こうした事態は絶対に避けなければなりません。そのために、このタイミングで立候補を中止するとのわたしさんの決断を支持するに至りました。
 立候補を中止したとはいえ、これまでの平松市政の評価を変えるものではありません。従って、平松氏の陣営とは何らかの協定を結ぶことはあり得ません。私たちは、これまで掲げてきた要求を引き続き、大阪市に求めていきます。
 わたし考一さんが「今回選挙戦では独自の立場から(平松氏を)支援してまいります」との決意をうけとめ、各団体での積極的な検討を呼びかけます。あわせて、ファシズムは市民の声と願いを圧殺するものという観点から、異常な暴走政治をストップさせるための広範な対話運動、2条例反対の署名運動・宣伝運動をすすめていきましょう。