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95億円、回収不能に 大阪市などのWTC貸付金

 再建手続き中の大阪市の第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)に対する市と市の外郭団体の貸付金計95億円が回収不能になる見通しだ。WTCが売却できても、金融機関への支払いなどに充てられるため。市は貸付金と別に89年以降、WTCに計609億円をつぎ込んでいる。

 市の貸付金は75億円で、市の外郭団体「大阪市開発公社」も20億円を貸している。WTCが売却できた場合、売却収入はテナントの敷金16億円と金融機関からの借入金67億円の返済に優先的に充てられる。これらを合わせた83億円以上で売却できれば、市などの貸付金返済に充てられる可能性もあった。

 しかし、大阪府は府庁移転を目指すWTCの購入価格を77億円(消費税など除く)と提示。関係者によると、買収に名乗りを上げている民間企業も、83億円以上は支払えないという意向を示しており、事実上、市などの貸付金は回収不能だ。

 市によると、WTCが保有する現金は再建手続きが終わる今年度末までに賃料収入などで約50億円になる見込み。だが、これも運営費と相殺されて残金はなくなるため、市などの貸付金返済には充てられないという。(朝日新聞島脇健史)

府庁舎WTC移転案、橋下知事、平松市長が市町村に説明へ

 読売新聞は9月11日、次の報道を行いました。 

 大阪市の第3セクタービル「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)への大阪府庁舎移転案について、橋下徹知事と平松邦夫市長は、府内全市町村長から賛同を得るため、17日に合同で説明会を開くことを決めた。移転案を審議する9月府議会では反発も予想され、まずは市町村長の理解を取り付ける狙いがあるようだ。

 説明会は府庁新別館で30分間。橋下知事と平松市長が、WTCへの府庁舎移転の意義を「関西全体の活性化につながる」とアピールし、質疑に応じる。府市トップの連携ぶりを強調することで、府議会でくすぶっている「大阪市の本気度が見えない」との批判にも対応したい考えだ。説明会の開催理由について、関係者は「市町村長と地元選出の府議との関係は強い。議員の説得に協力してほしいというのが本音だろう」と話している。

 

大阪府・市の水道事業統合「ようやく入り口」 今月中旬までに説明会開催へ

大阪府と大阪市は2日、水道事業統合に向けて、9月中旬までに府内の受水市町村でつくる府営水道協議会への説明会を開催し、市が指定管理者として府営水道事業を請け負う「コンセッション方式」に理解を求めることで合意した。府が5月に府営水道卸売り料金の先行値下げ案を公表して以降、府水道部と市水道局の対立で停滞していた統合協議が前へ動き出す。市幹部は「わだかまりが消化でき、ようやく入り口に立った」と話した。市の説明によると、府は先月28日の市との協議の中で、水道事業統合による市の水の活用を前提としない府営水道の先行値下げ案を撤回。ただ、統合に伴う効果を先取りした形での値下げを平成22年4月から実施する方向で検討している。今後、府営水道協議会や市町村の合意を得て、23年2月の府議会で市に府営水道を委託する議案の可決を目指すという。橋下徹知事は今回の合意について「府水道部側がカードを切り損ねたので、ここまでごたごたしてしまった」と指摘。一方、平松邦夫市長は「橋下知事がリーダーシップを示し、府水道部の説得にあたった結果だ」と強調した。
  産経新聞 2009.9.2 20:25

大阪市、WTC返済遅延金69億円の免除申し立てへ

 読売新聞は9月2日、次の報道を行いました。

 大阪市の第3セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)の会社更生手続きで、WTC社が、3月の破綻(はたん)以降、金融機関からの490億円の借金を返済していないため、遅延金が年間69億円にのぼることがわかった。借金は市が肩代わりするが、同社が所有するWTCビルが売れても、売却金が遅延金に充てられてしまうことになり、市は公金投入を抑えるため、遅延金支払いの事実上免除を求め、来週にも大阪地裁に申し立てる。

 更生管財人の中井康之弁護士は、WTCビルの不動産評価額を83億6100万円と鑑定。ビルの売却金を借金返済に充てる。2004年に成立した特定調停では、金融機関が同社に対する債権の一部を放棄する代わりに、市が同社の残りの借金について肩代わりすることを約束。市は借金総額とビル売却額との差額を支払うことになる。

 しかし、民法は、当事者からの意思表示がない限り、遅延金の優先返済を規定している。市が何らかの対策を取らなければ、ビルを鑑定額で売却できても、遅延金の支払いに回り、490億円のほぼ全額を負担することになる。市幹部は「公金を少しでも圧縮したい」とする。

 WTCビルについては、大阪府の橋下徹知事が府庁舎移転の再挑戦に向け、85億1800万円の購入費を盛り込んだ補正予算案を9月府議会に提案する方針を示している。

 

大阪府、WTCへの庁舎移転案を決定 購入費85億円

 読売新聞は9月1日、次の報道を行いました。

 大阪府は31日、破綻(はたん)した大阪市の第3セクタービル・大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)への庁舎移転案を正式決定し、土地建物を85億1800万円で購入する補正予算案と、府議会の3分の2の賛成が必要となる庁舎移転条例案を9月25日開会の定例府議会に提案すると発表した。

  購入額は府と市が8月に共同実施した鑑定額81億6000万円に建物の消費税額を加算した。今年2月の共同鑑定に比べ17億5000万円安くなり、橋下知事は「非常にお買い得だ」と話している。府は同日、現庁舎南側の府有地1・2ヘクタールに、府立成人病センター(大阪市東成区)を建て替え移転する方針を決めた。基本構想策定の補正予算案を9月府議会に提案し、2014年度末の完成を目指す。

 

WTCビル、管財人評価83億円

WTCビル、管財人評価83億円…橋下知事「ラッキー」府・市算定より15億円安く
 会社更生手続きを進める大阪市の第3セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(住之江区)の更生管財人・中井康之弁護士は21日、同社が運営するWTCビルの不動産評価額を83億6100万円と鑑定した上で、同社の資産を算定する「財産評定書」を大阪地裁に提出した。ビルの評価額は、大阪府・市の共同鑑定額99億1000万円を下回り、WTCへの府庁舎移転を巡る売買価格にも影響しそうだ。

 財産評定は会社更生法に基づく手続きで、この日が地裁への提出期限。管財人は当初、WTCの売却先を決め、その買い取り価格をもとに実施する方針だったが、買い手が決まっていないため、管財人が鑑定依頼し、自己査定した。

 評定は、更生手続きの開始時点の時価で評価することになっており、3月末のテナント入居率などを前提に鑑定。空きビルを前提にした府・市の共同鑑定額より約15億円安くなった。

 同社の金融機関などに対する債務総額は697億7900万円に上るだけに、管財人は「評価額以上で買ってもらえるように努力したい」と述べた。一方、府庁舎移転のためビル買い取りを検討している橋下徹知事は「価格が下がってラッキー。こんなお買い得なことはない」と話した。

(2009年8月22日  読売新聞)

南港周辺の将来像、知事と大阪市長一致

 読売新聞は8月12日、次の報道を行いました。

 橋下知事と大阪市の平松邦夫市長は11日、市公館で大阪の将来像について意見交換した。橋下知事が府庁舎移転を目指す大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)周辺の南港地区について、大規模展示場や国際会議場を集めた「コンベンション都市」を目指すことで一致。WTCへの庁舎移転を後押しするため、市が近く発足させる府や経済界との協議会で検討していくという。


 

大阪市、未収金771億円 昨年度末

 大阪市による市税や国民健康保険料の強引な徴収のやり方について市民から批判が相次いでいますが、8月6日、読売新聞は次の報道を行いました。

188億円は回収不能
 大阪市は5日、市税や市営住宅家賃など市民から回収できていない「未収金」が、2008年度末時点で771億円に上ることを明らかにした。07年度末から25億円改善したが、188億円が時効などで回収不能となっており、市は徴収強化に取り組む方針。

 内訳は、国民健康保険料317億円▽市税293億円▽介護保険料23億円▽市営住宅家賃22億円▽保育料14億円――など。市は、担当部局ごとに未収金の目標徴収率を設定。今後、財産差し押さえなどの法的手続きや、分割納付を進めることで収納率の向上を図りたいとしている。

 

[新型インフル]ぜん息児22人が集団発生 大阪市のキャンプで

 産経新聞は8月6日、次の報道を行いました。

 大阪市は5日、市主催の「気管支ぜん息児健康回復キャンプ」に参加した小学3~6年の児童22人とスタッフ4人がインフルエンザの症状を訴え、うち3年生の男児(8)の新型インフルエンザ感染を確認したと発表した。ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患を持つ患者が感染すると重症化する可能性が高まるが、児童らの症状は軽いという。

 市によると、キャンプでは1日1回、医師が児童の診察を行っていたが、発熱などの症状はなかった。市は、児童については事前にかかりつけ医の診断書を提出させていたが、スタッフの健康点検はしていなかったという。

 キャンプは、ぜんそくの持病がある児童を対象に、自然の中での野外活動や集団生活を通じて健康を回復してもらおうと市が企画。8~12歳の児童43人と小児科医師らスタッフを含む計70人が、7月29~31日に2泊3日の日程で三重県伊賀市の大阪市立伊賀青少年野外活動センターを訪れた。

 30日朝、女児6人の班の世話を担当していたスタッフの女子学生(19)が38度の高熱を発症し、医師がかぜ薬を投与して個室に隔離。翌日午前に学生を電車で大阪市に戻し、他の参加者は予定通り午後に貸し切りバスで市内に戻った。

 その後、同日午後から今月5日にかけて、学生が担当した班の女児4人を含む児童とスタッフ計25人が発熱などの症状を訴え、うち男児の1人が家族への感染を避けるため入院しているという。

大阪市が八尾焼却工場廃止方針

 読売新聞は8月5日、次の報道を行いました。

ごみ焼却八尾工場
 大阪市は4日、ごみ処理を市内で「完結」する体制確立のため、八尾焼却工場(八尾市)の将来的な廃止に向け、八尾市と協議する方針を明らかにした。同工場のごみ処理能力(日量350トン)を大阪市内で確保することを前提に、年度内に工場の再編計画をまとめる。

 八尾工場は1995年3月、八尾市から土地提供を受けた大阪市が建設。両市間協定では、大阪市は日量350トン、八尾市は同250トンの処理を想定、八尾市は1トンあたり1万4200円の処理料金を、大阪市に支払うことになっている。

 建設当時は、大阪市内の焼却工場ですべてのごみを処理できなかった。しかし、減量化で2008年度の同市の同工場への搬入は、日量90トンに減少し、協定上の処理能力と搬入量に大きな隔たりが生じている。焼却工場は通常、30年で更新時期を迎えるが、市は八尾工場を建て替えない方針だ。

 平松邦夫市長は先月末、15年度までの6年間で、年間ごみ処理量を110万トンとする「減量目標値」を発表。実現すれば、現在より2か所少ない7か所の焼却工場で対応できる見通しだが、▽老朽工場建て替え時の代替施設▽八尾工場の処理能力――を確保するためには、新たに日量800トンを処理できる工場を市内に建設する必要がある。

 この日、市は工場再編の選択肢として、老朽化した工場建て替えなど3案を有識者委員会に提示。平松市長が昨夏、移転・建て替え計画凍結を表明した市内最古の森之宮工場の存廃を含めた議論を再開した。市は今秋をめどに委員会の意見を踏まえ、再編計画を策定する。

大商「府庁WTCに」

 読売新聞は8月4日、次の報道を行いました。

大阪府・市に要望
 大阪商工会議所は3日、大阪府と大阪市に対する「2010年度予算・税制等への要望」を公表した。大阪府庁を大阪・南港の大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)に移転させることをはじめ、経済界とも共同で府市連携の「都市構想」を策定することを働きかける。大商が府や市に対し、包括的な要望を出すのは初めて。

 4日付で橋下徹知事と平松邦夫市長に郵送する。

 府庁のWTC移転については、大阪市が府や経済界との協議会を8月に発足させる方針だ。経済界も協力する姿勢を強調することで、早期の着手を促す。

 

ごみ処理量を年間110万トン以下 大阪市が削減目標

 大阪日日新聞は8月3日、次の報道を行いました。

 大阪市は2日までに、市のごみ処理量を2015年までに年間110万トン以下に減らす削減目標を発表した。有識者でつくる外部委員会の最終答申から踏み込んだ目標設定で、一般廃棄物の6割を占める事業系ごみの削減を推進することで達成を見込む。

 6月にまとまった大阪市廃棄物減量等推進審議会(会長・藤田正憲大阪大名誉教授)の最終答申で示された17年度末までに120万トン以下とする数値目標に対し、2年前倒し、処理量10万トンを上乗せした。

 同市によると全国の政令指定都市の平均を大幅に上回る事業系ごみの処理量を平均値まで削減することや、焼却処理されている紙ごみの資源化を推進するなどの具体的策を検討するとしている。

 また、目標の設定に伴い、計画用地の建て替え計画が凍結されている焼却施設「森之宮工場」を含めた市内の焼却施設の整備、配置計画を進める検討委員会を再開。同市の平松邦夫市長は森之宮工場について、「秋口までには意見をまとめ方向性を打ち出したい」としている。