市民の要求と運動

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カジノ格安賃料差し止め訴訟(3月19日)

カジノ用地は12万円/1㎡、変電所用地は33万円/1㎡
「カジノ用地は格安」 と大阪市自らが証明

 

 3月19日、カジノ誘致を止めることをめざす裁判が行われました。
 前回1月から3つのグループによる6つの事件が合同で審理されています。今回の裁判では、カジノ格安賃料差し止め訴訟の弁護団より吉川亮太弁護士が意見陳述し、カジノ用地の隣接地に建設された関電の変電所の土地価格を大阪市がカジノ用地の約3倍の33万円/1㎡に確定していると主張し、カジノ用地の格安を大阪市自らが証明していることを示しました。

変電所用地は「高層ホテル、最寄り駅を夢洲駅」で鑑定
吉川亮太弁護士の意見陳述(要旨)

 もう少し詳しい「第2・5事件原告ら準備書面(4)の説明」はこちら

 書面では、IR用地の東に隣接する夢洲変電所の建設予定地が、昨年、1㎡約33万円と鑑定評価された事実を明らかにし、IR用地が1㎡12万円と鑑定評価され、それに基づき算出された賃料は「適正な対価」ではないと主張しています。
 大阪市は、昨年、関西電力送配電㈱に対して夢洲変電所用地を売却するために、不動産鑑定を依頼し、1回目の鑑定では1㎡約15万円と鑑定され、大阪市はこれを不動産鑑定審議会(大阪市の財産処分価格が適正かをチェックする諮問機関)に諮問しました。しかし、審議会は、「1㎡約15万円は安すぎる」として、答申を保留しました。また、2度目の鑑定を依頼・再度審議会への諮問も答申保留とされました。
 大阪市は、3度目の鑑定を3社に依頼し、土地の最有効使用を「高層ホテル、最寄り駅を夢洲駅」とするなど適正な条件に修正して鑑定されたところ、1㎡約33万円とされました。大阪市は、この評価額で審議会に諮問し、適正価格だと答申されました。

カジノ用地の約3倍

 IR用地と変電所用地は、地理的条件や周辺環境にほとんど変わりません。両者の土地には大きな差異はなく、評価基準として考慮されるべき要素も、非常に似通っています。にもかかわらず、IR用地が12万円、変電所用地が約33万円と、大きな差があるのは明らかに不合理です。IR用地が不自然に低額に評価されているとしか言いようがありません。そのプロセスにおいて何らかの不正があったことが示唆されているのではないでしょうか。
大阪市の態度も問題です。同じ夢洲内の隣接した土地であるのに、一方では12万円が適正であると主張し、もう一方で約33万円を適正だとしており、誰が見ても不自然です。
 
 そもそも、不動産鑑定評価は土地の適正な価格や賃料を決定するために不可欠なものであり、これが公正かつ適切に行われなければ、土地の所有者に対して深刻な不利益をもたらします。特に、本件のような公有地、IR用地の鑑定評価が公正かつ適切に行われていなければ、所有者である大阪市、ひいては大阪市民全員、その他にも不動産取引や地域社会に及び、社会的に極めて深刻な問題をもたらします。そしてこの問題を放置することは、行政及び司法に対する信頼を著しく損ないます。
 「適正な対価」とはいえない格安賃料でIR用地を貸すことは、大阪市民にとって大損害です。基礎価格12万円を基に算出された賃料が「適正な対価」でないこと、この賃料と定めた大阪市長らの責任を追及するための資料として、今回、変電所用地に関する主張を追加いたしました。

3つのグループが6つの裁判
共同訴訟の参加関係

 2022年7月から2024年12月の間に、3つのグループが6つの住民訴訟を提起、共同訴訟となっています。
 弁護団から、整理された資料が出されましたのでご紹介します。

※各原告団代表者
  第1事件:山田明さん(名古屋市立大学名誉教授)
  第2事件:藤永のぶよさん(おおさか市民ネットワーク代表)
  第3事件:山川義保さん(カジノを止める府民の会事務局長)

大阪IRカジノ住民訴訟 弁論期日&報告集会(3月19日)

■弁論期日】
◇ 2025 年3月19日(水)11:00 ~
◇ 大阪地方裁判所 2階 202 法廷
    10:35~ 傍聴券の抽選

 

■【報告集会】
◇ 2025年3月19日(水)11:30頃~(弁論期日終了後)
◇ 大阪弁護士会館 2階 202・203号会議室

夢洲カジノSTOP!住民訴訟 報告(1月27日)

夢洲カジノSTOP!住民訴訟 大阪地裁 大法廷は傍聴者で満席
市民生活後回し、カジノ事業者に格安賃料!  

 2025年1月27日(月)午前11時から大阪地裁202号法廷にて、大阪IRカジノ住民訴訟の裁判が行われました。

合同審理 すべてがカジノを止めるため

 現在、裁判は、3つの市民グループによる ①カジノ用地の土壌改良費788億円の公金支出は違法であるとした差し止め訴訟、②カジノ用地の土地鑑定「談合」による安すぎる賃貸契約差し止め訴訟、③カジノ用地を無料で使わせながらの土地改良事業を差し止め訴訟、④格安賃料による損害賠償を横山大阪市長や松井前市長、さらに港湾局長、不動産鑑定士らに求める訴訟と、不当かつ違法なカジノ誘致を止める法廷でのたたかいとなっています。

市民の怒りを意見陳述

 この日、原告の海道智紀さんが、カジノ事業者に格安賃料で便宜を図っている一方で、市民生活を後回しにしていることを厳しく指弾する意見陳述が行われました。
 報告集会には約100名が集まり、それぞれの原告団と弁護団の意見交流と、ひきつづく奮闘を誓い合う場となりました。

今後の裁判日程

❖次回  3月19日(水)午前11時~
❖次々回 6月17日(火)午前11時~
いずれも大阪地裁202号大法廷です。多くの傍聴参加をよろしくお願いします。