市民の運動

地域経済、商工政策

2016年度2-3月議会について(声明)

2016年度2-3月議会について(声明)

 

2017年3月29日
大阪市をよくする会 事務局長 福井 朗

 

1.地下鉄・市バスの民営化について

 

 84年の歴史を持ち、日本初にして最大の公営地下鉄の民営化が議決されました。民営化は利用者にとって何のメリットもないだけでなく、市バスとともに果たしてきた公共の福祉の増進という役割が損なわれるものとなります。市営地下鉄は、単年度で374億円(2015年度)の黒字を生み出す超優良企業であり、公営であれば、地方公営企業法18条2項に基づき、年間60億円を一般会計に納付することができます。民営化すれば、得られる税金(固定資産税、法人市民税など)は年間40億円程度にとどまり、しかも退職金の支払い、登記費用、企業債の繰り上げ返済などの財政負担が伴い、1500億円ある預貯金が枯渇し、運転資金が70億円となり、大きな資金を要する安全対策やサービス向上が困難になることが危惧されます。

 

 新会社の株式は、当面は大阪市が保有することとなっていますが、株式の売却は過半数の議決で可能であり、将来に大阪市の関与が担保されたものではりません。このような暴挙に断固抗議するものです。

 

2.カジノIRについて

 

 万博を隠れ蓑にしてカジノを導入するための「IR推進局」が設置されたことも看過できません。言うまでもなくカジノは賭博であり、刑法185条に違反する犯罪で、賭博は公共の福祉に反するとの最高裁判決も確定しています。さらに、暴力団対策、ギャンブル依存症、マネーロンダリング、治安の悪化、多重債務問題の再燃、青少年への悪影響など、まさに百害あって一利なしです。博打で経済発展はありえません。断念まで全力でとりくみます。

 

3.民意を踏みにじる「都構想再挑戦」について

 

(1)「法定協議会」の設置について

 

 公明・維新による継続審議の提案が可決され、5月議会に継続となりました。住民投票の重みを考えるならば、本来提案されるべきものでないことは明らかです。法定協設置の否決をめざし、世論を高めます。

 

(2)住吉市民病院について

 

 重要な役割を果たしてきた住吉市民病院を「二重行政」などと乱暴に決めつけ、廃止をいったん決めたものの、その後の経緯は、この廃止が誤りであることがますます明らかになりました。南港病院の設計上のミスで開院が当初よりも2年延期せざるを得なくなったことにより、設計・改修のために2017年度予算に7000万円が計上されていましたが、維新以外の会派がこの削除を求め、削除が可決されたことは当然のことです。

 

 知事の諮問機関である大阪市南部医療圏審議会も必要な医師が確保できていないことを指摘しています。
この状況では、住吉市民病院跡地に南港病院が開院することは極めて困難です。公立として現地建て替えを行うことが唯一の解決策です。市民のみなさんと一緒に実現しましょう。

 

 大阪市をよくする会は、この議会での論戦などを踏まえ、維新政治にピリオドを打つべく、引き続き奮闘します。

 

[PDF] 2016年度2-3月議会について(声明)

平松市政の4年間と中小業者の運動

大阪市内民商連絡会は1991年の結成以来、大阪市に対して ①中小業者全体を視野に入れた経済政策の実現 ②貧困をなくし、生存権・社会保障の権利拡充 ③市政革新――を柱に、要求を結集し運動を進めています。
◆経済危機から中小業者を守ろうとしない大阪市
 平松市政のこの4年間は、投機マネーによる原油・原材料の急激な高騰やリーマンショックなど中小業者の営業を揺るがす大きな経済危機が立て続けにありました。大商連は原油・原材料高騰の打開に向けて08年8月から「実態告発」運動に取り組み、約1ヶ月で集めた240人分の「告発」を9月の大阪市交渉に持ち込みました。「大企業のやり方は本当に横暴だ。3ヶ月おきに材料代があがっているが、その分を転嫁させない見積もりを出さないと仕事をくれない。大企業を指導してほしい」の訴えとともに、「緊急に実態把握をすること。各部局横断的な対策本部を設置すること。国保・住民税の減免や仕事確保に力を入れること。」などを強く要望しました。さらにその年の秋に起きたリーマンショックを契機に、大企業が自らの経営資本を守るために下請け業者や労働者を調整弁にした発注打ち切りなどの横暴が広がりました。この時も大阪市に対して是正を求める交渉や運動を展開しました。多くの中小業者が仕事の激減で廃業に追い込まれる中、大阪市はようやく「各部局横断」的な「緊急経済対策本部」を設置しました。しかし中身はほとんど国の政策待ちで相変わらずの縦割り行政。独自の施策は緊急融資の保証料を半額補助する制度で、これもわずか4ヶ月で打ちきりというお粗末なものでした。
◆仕事よこせ、資金よこせの運動
 国は経済対策として様々な臨時交付金を自治体に交付し、それを呼び水にして全国では住宅リフォーム助成制度(大阪は実施ゼロ)や、地域経済活性化事業を実施しています。その一つである「スクールニューディール事業」は全国的に実施され、小中学校にデジタルテレビやパソコンの整備が普及しました。この施策は「地元中小企業の受注機会に配慮するよう」国がわざわざ通知していたにも関わらず、大阪市は大手企業しか入札できない条件にしていたので、結局、NTTやシャープなどが受注する結果となりました。地域にお金は回らず、交付金が大企業へのかくれ補助金のようになってしまったのが実態です。市内民商では「仕事よこせ、資金よこせ」を合い言葉に、区役所と懇談し住民に身近な仕事を区役所や担当課がどこへ発注しているのかヒアリングし、公正な発注を求めました。本庁の経済局にも経済政策を大手企業へのトリクルダウンではなく、中小業者への「直接支援」に転換すべきだと訴え、経済波及効果が高い住宅リフォーム助成制度や商店街支援など地域循環型の経済こそ、大阪の再生には不可欠であると強く要望しました。 中小業者の町である大阪には府と市それぞれが公的な融資制度を実施し中小業者支援を進めています。ところが昨年、大阪府の橋下知事は「財政再建プラン」の中で融資制度の改悪を行いました。大阪市も府にならい、なおかつ市民に知らせず突然、制度融資を改悪。知事と市長がタッグを組んで中小業者支援を打ちきったのです。現在、大阪市は「中小企業振興条例」の制定を進めています。しかし「たたき台」にはこれまでの政策への反省はなく、ものづくりを支え地域コミュニティを担っている中小業者を軸にして大阪市を再生していく理念と方向もありません。平松市長の経済政策を根本から変えることが選挙戦の大きな争点です。
◆高すぎる国保料が市民生活をおびやかす
 大阪市の国保加入世帯は83%が所得200万円以下で、高すぎる国保料自体が「食えば払えず払えば食えず」の窮乏を作り出しています。「国保には438億円もの市税を 繰り入れており、政令市の中で2番目に低い」と大阪市は言っています。しかし世帯数の4割弱が加入し、政令市の中で2番目に所得が低い現状を勘案すれば、国保財政への繰り入れ額は極端に高くはありません。政令市で2番目に安いというのは大阪市の国保加入者は法定減免に該当する低所得者が多く、そういう人を含めて算出した国保料の平均額を大阪市は「2番目に安い」と言っているわけです。しかし子ども2人と40代夫婦の4人世帯で所得300万円の場合、国保料が50万円になるのは事実であり、全額払ったら生活が立ち行かなくなる過酷な負担は全国でも突出しています。しかも、2010年度は国からの交付金が少し増えたために国保財政は110億円の単年度黒字になりました。黒字のいくらかは国保料の引き下げに回せたはずですが、それすらしていません。
◆公約投げ捨て、社会保障から遠ざかる国保
 無駄な開発を進めた財界や政党の責任には目をつぶり、自治体の本来の役割である住民福祉に予算を使うのが悪いような大阪市の態度は、「弱者の目線に立って」という市長の言葉が口先だけであることを示しています。子どもの保険証の留置き、学資保険の差押えといった非情な制裁も平松市政の下で行われました。そもそも平松市長は公約のなかで国民健康保険の減免措置を掲げていました。しかし、独自の減免制度はこの4年間拡充されず、それどころか払いたくても払えない人に差押えの脅しをかけて無理やり払わせる強権的な徴収が拡大しました。国保滞納者に対する大阪市の財産調査では6万世帯の93%(約5万6千世帯)が50万円未満という結果が出ています。加入者のほとんどが「払いたくても払えない」状態であり、無差別的な財産調査をされてプライバシーや生存権的財産が土足で踏みにじられています。高い国保料を押しつけ、減免制度もつくらず、市民をいじめる大阪市こそ「悪質」です。大阪市は24行政区を束ねる広域の保険者であり、49万世帯(被保険者数で80万人)もの命と健康を預かっています。今の大阪市の国保行政を府下市町村のモデル、あるいは広域化のモデルにさせないためにも今秋のダブル選挙で国保問題を大きく訴えていく必要があります。